瑛子さんの大連ってどんなとこ

 大連に住むリケジョの瑛子さん。経済発展著しい大連の街の様子を冷静な観察眼で描くレポートと写真から無限のビジネスチャンスが見える。

バレンタインデー=愛人の日?

2月14日はバレンタインデー。

この日の発祥国はどうお祝いするのかは知りませんが、中国ではこの日のことを、「情人節」と呼びます。「情人」は、「有情人」と頭に「有」をつければ、“愛し合っている人”の意味なのですが、「有」をなくしたら、単に“愛する人”の意味となります。

むしろ中国語で「愛人」というと、一般的には“奥さん”の意味です。以前日本語を勉強したばかりの中国の男性の方が、正式な場で、日本人のお客さん向けに自分の奥さんを「私の愛人です」と紹介して、列席の日本人の皆さんを、ひっくり返るほどびっくりさせたことがありました。

中国では、変に「情人節」という字をつけたからなのかどうか分かりませんが、この日を祝う習慣になった初期のころの「恋人同士」という意味合いの“特別デートの日”から、だんだん2、3年経つうちに「愛人の日」に変化し、本当の愛人を持っている男性が、一番危機感を持つ日になります。

こんな冗談もあります。ある旦那さんは、その日は、朝から家の掃除&片付けをせっせとやり、奥さんのご機嫌を一生懸命取って、夕食を早めに作って一緒に食べます。そして、奥さんの飲み物に睡眠薬を入れて、さっさと寝かせてから、「愛人」を高級レストランにつれていき、やっと「愛人の日」を送るのです。

今年になったら、「2月13日は愛人の日」という説も出てきました。奥さんがこの「愛人の日」に特別に注目するようになったため、余計外出がややこしくなる一方、若いかわいい美しい愛人の気持ちを考慮しなければならなくなり、前日の13日に愛人とお祝いをするようになったわけです。

もちろん一番重要なのは、高価な「愛人の日のプレゼント」ですね。

あんまりロマンチックではない旦那さん達でも、小さいプレゼントを無理やり奥さんに贈るか、せめてその日は絶対外食せずに早く帰宅します。奥様たちから、余計に不満を招くことを避けるわけです。

特に、今は、みんなが多少なりともスマートフォンで周りの情報を読みこんでいますから、数週間前から「奥さん(彼女)にプレゼントをいくつ上げればいいか、皆さん教えて!」などの書き込みがたくさん入るようになります。「ベンツの車をプレゼントにするつもりで入手しましたが、あいにく14日までは車が用意できなくて、他に考えなければならなくなってしまった。助けて!」などもあります。

また、14日から写真付きで「夫(彼氏)からもらったプレゼント、どう?」とか、幸せを見せつける人は、多かれ少なかれ、いますからね。この日のことをあんまり気にしない奥様(恋人)たちでも、なんにもプレゼントがないと、なんだか夫(彼氏)から無視されている気分になるようです。

男性も女性もびくびくして困るこの日、笑うのは商人だけかもしれません。