瑛子さんの大連ってどんなとこ

 大連に住むリケジョの瑛子さん。経済発展著しい大連の街の様子を冷静な観察眼で描くレポートと写真から無限のビジネスチャンスが見える。

静かでサービスのない春節

 私の記憶では、春節はにぎやかで、どこを見ても赤い色が目たち、
とても喜ばしくわいわいしています。

 が、今年はとても静かだと感じてしまいました。

 大晦日は大体正月1日の朝2,3時くらいまで、どたどたと
起きてしまいますが、以前は、大部分の人たちは、
朝まで寝なかったにしても、朝7時8時ごろから必ず爆竹を燃やして
周辺の全員の目覚まし時計役を演じる人がいました。

 しかし、今年は、目が覚めたら意外にも、もう10時半で、
それも静か静かな雰囲気なので、とても喜びました。
さすが、今年の正月1日は、昔みたいに「灯篭の集い」や
「ヤンコ踊り」*などなどは全然なく、前夜の疲れで大体の人は
家で休んでいるようでした。

 うちの子は、正月2日から家に閉じこまるのには飽きて、
外食を強く求めました。正月4日までは、市場は全部クローズになっていて、
家では多めに食材も用意していませんから、外食も楽なのですが、
やはり大体のレストランも正月3日まで休みとなっているし、
休まなくてもコックさんが帰省してしまっていて、そこにいる誰かさんが
適当に作るだけ、とか、服務員も殆どいなくて、オーナーおよび家族が代わりに
お料理を作るなど、無理やり食べに行っても楽しくできません。

 そこで、年中オープンしている友誼商城の10階にあるレストランへ
行ってみました。会社のすぐ向こう側にありますが、行く途中から
車のない大連の町に不慣れで、着いたら、全然車がなくて、
駐車費を取る人もいないので、周辺を見て、「ああ、すっきり」と思いながらも、
少しはさびしくもなりました。

 でも、さすが友誼商城で、営業時間は短くしましたが、一日も休まずに
経営していて、春節休み中は駐車料金を無料にしていて、レストランも
著しくレベルダウンは感じませんでした。

 もちろん、服務員が少ないため、一部の地域は空いていても座らせないとか
微々たる制限はありましたが、あんまり不愉快なことはなく助かりました。

 その後、一度、映画館にも行きましたが、同じく、がらがらの駐車場と
あんまり人のない映画館で、久しぶりのゆったりでうれしいような感じでした。
  
 やはり最近は、春節勤務がいやのスタッフの考えにあらがえなく、
店をクローズするのが主流となり、春節は旅行に出かけるか、
家で静かに休むか、になりました。

 外国へ行った観光客数が、初めて国内旅行者数を圧倒した統計を見て、
サービスが一段悪く(働く人が少ない)、人の多い国内観光地よりは、
平日である海外へ旅行に行く方が楽しいのでしょう。

 日本を買いあさったニュースも、スマートホンで目を奪っていますが、
来年は、われわれも普通の観光客の行かない日本のどこかの地方へ
遊びに行こう……かな。

*「ヤンコ踊り」*
中国東北部の田舎の春節祝い踊り。鮮やか系の昔の衣類を見につけ、
1メートル以上もある長い杖を足で踏んで、太鼓などに合わせて踊りながら、
町全体を周回する。一番の主役は笑わせ役で、いろいろ面白い表情をして
雰囲気を高める。各村がそれぞれチームを作り、コンテストをすることも
良くあった。