瑛子さんの大連ってどんなとこ

 大連に住むリケジョの瑛子さん。経済発展著しい大連の街の様子を冷静な観察眼で描くレポートと写真から無限のビジネスチャンスが見える。

家庭&仕事、どこまで両立できるの

 ドイツのメルケル首相、日本訪問中ですね。

 男女平等の中国にとっては、大統領が男性なのか女性なのか、全然不自然さは感じませんけど、どう見ても女性の大統領はやはり女性としては見ていないところもあります。元イギリスのサッチャー首相だけは、たまたま香港中国返還交渉の時期で、中国では大変注目を集めていて、辣腕の大統領にしては、女性らしく優雅なことでも大いに好評でした。本当にサッチャー氏は家庭・仕事両立のロールモデルでしたが、自分にはできそうもなく、“中国のサッチャー”になろうと思う女性は殆どいなかったでしょう。

 中国で、今まで一番高い地位に登った女性は呉儀さん(副首相)です。いまでもみんな尊敬はしていますが、やはり一生未婚で仕事に専念し、むしろ未婚だからそこまで仕事で成功したかのように見えます。

 家庭・仕事を両立させるのは中国の女性のほとんど全員が直面する問題です。「女強人」という、仕事では男まさりで、女性らしくない仕事ぶりで成功した女性のことを現わす名称は一時的に流行りましたが、けっして褒める言葉ではありません。その言葉の裏には、“家庭を犠牲にした女性”という意味を表すこともあります。女性としての身分を捨てたことを意味して、こういう「女強人」の夫や子どもは、かわいそうに、と同情されます。
 
 最近では、成功した男を見つけて、さっさと家庭主婦(専業主婦)になるのを夢に見ている若い女性が増えてきました。この「家庭主婦(専業主婦)」という言葉は、昔は、仕事が見つからなくて、家庭では料理・子どもの世話をするしかなく、家事に閉じこもって、ご主人様には「はい、はい」としか言えない“専業主婦”の意味でしたが、いまはそれとは違って、ご主人のお金で買い物をし、エステ、旅行などに身を投げて、家事や子どもの世話役はお手伝いさんに任せることを意味しています。

 それに、社会は女性の出世を期待もしていなく、いいご主人に恵まれて適当に楽しくわがままに生きていく方が楽に思われます。

 しかし、国家主席の奥さんで、前有名歌手である彭麗援さんの話しだと、
「全世界を魅了できる美貌・能力」などがないと、“専業主婦”でいるのは危ない、そうです。やはりいつでも自立できる力がないと、いつの間にかご主人に嫌われて捨てられるかもしれないという不安感はずっとつきまといますね。

 忙しくなく、楽に仕事ができて、家庭もある程度見られる、というバランスある生活を、女性一人一人が模索しているようです。

 女性は楽、とは言われながらも、自由にやりたいことだけを追いかけることも、実際にはできないのが、今の中国の女性たちの現状のようです。