進化する買い物モデル
11月11日に欲しいものを購入するわけ
中国では、11月11日は「独身の日」と呼ばれ、若者を中心に、一斉に買い物を行う日として定着しています。案の定、インターネット販売No.1であるアリババは、今年も販売総額の最高値を更新(昨年比60%増)しました。
私の親の新居である高層マンションが、中国では新築でもコンクリート打ちっ放しの状態で引き渡され、すべて入居者が自分の好きなようにデザインするようになっているので、私はその内装のために、コンセントをはじめ、照明、ベッド、洗濯機などを大量に買い、その販売額No.1に貢献しました。
インターネット通販の魅力とは
昨年も紹介したように、ブランド品のメーカーがインターネットに参入したことで、安い代わりに保証がないのが欠点だったインターネット通販でも、普通に店で買い物をするのと同じように安心して買えるようになりました。しかし、やはり電化製品はアフターサービスなどに対する不安もあり、あまり試そうともしませんでした。
ところが、今年になって、店で買ってもインターネットで買っても、アフターサービスについては、まったく同じアフターサービス指定専門店が担当するということが分かったのです。もしかしたら、品物を届けてくれるのも同じ人たちかもしれません。この背景には、小売店では販売だけを行い、倉庫や物流などは全部外注する形態が増えているというシステムである、ということがあります。洗濯機を例にすれば、店で買っても、その日に持ち帰ることはできず、まずは届く日を決めて、物流担当者に品物を届けてもらう必要があります。しかしそれは届くだけで、据え付けは、洗濯機メーカーの指定専門店の担当者が行い、アフターサービスも同じ店が担当します。インターネットで買った場合、物流を任せられた方が違っても、その後はまったく同じ流れになりますので、心配する必要はありません。
ネット通販のトラブルとは
しかし、トラブルとしてよく聞かれるのは、インターネットの場合、遠いところからの発送となったときに、物流途中で乱暴に取り扱われることが多い、ということです。壊れてしまっているのであれば、返品し交換してもらえばいいですが、外観に少し損傷があるだけ、ということもあり、交換するのは面倒くさいが、そのまま新品として受け取るのも気が進まない、という不満も多く聞かれます。
また、こういった買い物が集中する時期や、物流業者も帰省してしまい人手不足となる春節などには、なかなか物が届かない、というクレームも多くなります。
それでもなぜネット通販で買うのか
何故、それでもインターネットで買うのか、というと、答えはやはり「安いから」ということにつきるでしょう。同じ洗濯機を例にすれば、店でどうしても4,000元(約8万円)程度はするものが、インターネットではその半額で販売されているのが普通です。電気屋では、割引後の値段の半分というのも、珍しいことではありません。
ただ、今回は電子レンジもいくつか見ましたが、購入はしませんでした。というのは、新しい技術がまったく分からず、写真で見てもボタンが複雑すぎて理解できず、各種機種のどこがどう違うのか、が、さっぱり分からないからです。やはり、やや高くても、店頭で詳しく説明してもらって、自分に合うものを選ぶ方がいい、と思いました。
将来の買い物モデルは
将来は、店頭では物を販売するより、商品を購入する前に説明を受けて使用体験する場所、として発展していくのではないでしょうか。
ビジネスチャンス・キーワード:
ネット通販、店頭販売、消費者ニーズ、家電先端技術